パワーモジュールは,複数のパワーデバイスを一つのパッケージにまとめて電力変換回路でスイッチング動作を行います。 動作の基準電位が異なる複数のパワーデバイスを一つのパッケージに配置するため,銅やアルミニウムなどの配線パターンをセラミック絶縁基板や絶縁シートの上に形成します。 一つのモジュールの中の複数のパワーデバイスがそれぞれ発熱するため,近辺のパワーデバイスの損失による熱干渉が生じ,単体のパワーデバイスにおける損失に比べ温度上昇が大きくなります。 パワーデバイスの配置間隔を大きくすることで熱干渉の問題を低減することかできますが,一方で配線長が長くなるため配線の持つ寄生インダクタンスが大きくなります。 寄生インダクタンスが大きくなると,パワーデバイスのスイッチング動作における電流変化率di/dtによって生じるサージ電圧が大きくなります。 配線長を短くする配置もしくはdi/dtを小さくしてスイッチング速度を低くすることでサージ電圧を低減することができますが,前者は熱干渉が大きくなり,後者はスイッチング損失が増加します。 このようにパワーモジュールにおけるパワーデバイスの熱干渉とサージ電圧の間にはトレードオフがあります。 パワーモジュールの最適構造設計では,熱性能と電気性能に対する多目的最適化を行い,パワーモジュールの高性能化を行います。

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研究内容紹介


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