電力変換回路に用いる受動素子の解析・評価・設計 †電力変換回路には,パワー半導体スイッチングデバイスだけでなく,入出力の電圧・電流の平滑化,高調波のフィルタリングや,過電圧・過電流を抑制するためのリアクトルやコンデンサ等の受動素子が不可欠です。 特に,ワイドバンドギャップ半導体の電力変換回路への適用に向け,高周波スイッチングや高温での動作が求められるようになってきており,これに応じた受動素子を用いた回路設計が必要となってきています。 したがって単なるL,Cととして受動素子を考えるのでは十分ではなく,種々の特性を把握した上で回路に適用していく必要があります。 舟木研究室では,各種リアクトルやコンデンサにおける周波数特性や,特性の温度・動作電流・電圧依存性を評価するとともに,その動作原理・構造にもとづくモデル化を行い,最適な電力変換回路設計を実現するための研究を行っています。 磁気部品の鉄損は,印加した磁界に対する磁束の軌跡が描くヒステリシスループで評価できますが,従来の2巻線法では低鉄損の磁心に対して電圧と電流の位相差が90度付近となるため精度の高い評価か困難でした。 2巻線法やコンデンサ共振法によって電圧と電流の位相差をキャンセルすることで,損失分のみの評価が可能となり,低損失な鉄心の高精度な鉄損評価を可能としています。 |