2018年度の活動記録

大阪大学SEEDSプログラム初参加となる今年は、実感コースとして「ハイブリッド自動車について研究してみよう」というテーマで開講しました。今年は兵庫県の進学校に通う高校2年生が来てくれました。実家から片道2時間と、かなり遠いところから、ありがとうございます。
私たちの研究室では、ハイブリッド自動車のうち特にモータ・インバータ部に注目しています。動力となるモータ、モータを動かすための電力変換装置(インバータ)、そしてモータを回転および速度制御するために、モータにタイミングよく電流を流すための制御部、それぞれの高性能化が必要となります。今回のテーマでは、CQ出版社が販売しているCQ EVミニカート・キット“基本セット”を使って、特にモータに着目し、高速回転可能なモータ巻線の設計を行いました。(文責:博士後期課程1年 福永崇平)
▼CQ EVミニカート・キット“基本セット”(CQ出版社): https://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/I/I000255.htm
▼CQ ブラシレス・モータ&インバータ・キット 標準セット版(CQ出版社): https://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/I/I000055.htm

第一回(4/7)

まずは本研究のテーマとなるモータについてのお勉強。世の中で用いられているモータにはどんな種類があるのか、また今回の研究で対象とするブラシレスDCモータがどのような原理で回転しているのかを学びました。三角関数はすでに勉強済みだったので、対称三相交流から回転磁界を導出してもらいました。(こういうところで数学を使います。)次に実際の走行要求から、作製するモータの巻方・巻数など巻き線設計を行いました。
次に、今回用いるモータについて、既製品を使ったデモンストレーションを行いました。実際にモータが回転するところを見学し、モータを回すためには何が必要か、またどのように試験すればいいかを体験してもらえたと思います。
最後にモータの巻線設計を行いました。目標とする最高時速から、今回作るモータとして、3直2並6巻のモータにしました。モータのコアと巻線(エナメル線)を持ち帰ってもらい、作製は次回までの宿題としました。

第二回(4/30)

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宿題にしていたモータの端線処理を行いました。エナメル線の皮膜剥がし、および銅線のはんだ付けに苦労しながらも、動かせる状態になりました。そしてモータベンチに固定して、電源を投入!無事に回転し始めました。研究室の面々も一安心。次に、作製したモータの特性を測定しました。モータを作製するだけでなく、設計通りの特性が得られているかを評価しました。

第三回(5/4)

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GWも終盤に差し掛かった今回は、事前に用意していたキット標準仕様のモータ(6直20巻, 1000rpm)と、作製したモータをそれぞれゴーカートに搭載して、試走してみることに。まずはキット標準モータを搭載すると、快調な滑り出し。最高時速20km/hを記録しました。もちろんこれが動くのは当たり前。次に受講生が作製したモータ。いざ動かさん!…としたところで、逆回転していることに気づきました。モータを作製する際に、逆向きで巻いてしまったためです。制御プログラムを書き換え、センサの読み取り順を逆にすることで、前に進むように変更しました。(書き換えた結果は次回のお楽しみ。)

第四回(5/27)

さて今回こそ、自作したモータを搭載したゴーカートでの走行を実現!まずは前回逆転していたモータを、プログラムを書き換えることで正転するように修正しました。そして準備完了後、スロットルを回すと…インバータから煙が!今回、速度を優先した結果、始動トルクが足りず電流を流そうとしたことが問題でした。このため、より始動トルクが得られるようなモータ巻線の再設計を行いました。

第五回(6/3)

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第五回の最初は、プロトタイプモータをゴーカートに実装して、その性能を改めて評価しました。平坦かつ長いストレートで最高速度に挑戦したところ、キット標準仕様のプロトタイプでは12km/hが限界でした。自動車の徐行速度と同じくらいですね。 前回の失敗を踏まえ、プロトタイプと同じくらいトルクを担保、かつ高速走行が出来るモータ巻線を再設計しました。今回は走行時の抵抗成分(風や道の状態で左右する成分)を考慮したうえで、3直2並17巻と設計しました。

第六回(6/23)

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今回は担当している院生が参加する、CQEVカートのレース大会を見学に行きました(本人は運転していません、悪しからず)。場所は茨城県のつくばサーキット。実は国内3大サーキットに数えられる場所であるということを、筆者は最近知りました。大会中以外は一般の方々も練習していたため、会場は常にエンジン音とブレーキ音に包まれていました。 参加した結果は、ブービー賞。なんとも情けない結果です。初参加にして走り切ったので、まずますというところでしょう。高校生に情けない院生の姿を見せてしまいましたが、お互い良い経験になったのではないでしょうか。

第七回(7/15)

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まずは家で巻き直してくれた再設計したモータについて、端線の処理を行いました。その後は、まずは走らせたい!ということで、早速ゴーカートに搭載して試走を行いました。ドキドキしながらスロットルを回すと…無事に始動!見事な滑り出しを見せました。そのまま場所を移動して最高速チャレンジを行ったところ、29.3km/h!目標速度であった30km/hを達成することが出来ました。
午後からはモータ特性を評価し、今回得られた成果が、設計値通りのモータを作製することで達成できたことを確認しました。

第八回(7/28)

いよいよプログラムを大詰めです。まずはこれまで測定したモータ特性をグラフにまとめて、その特性が理論通りであることを確認しました。次に、国内学会での発表、およびプログラム全体の最終報告会に向けて発表資料を作り、発表練習を行いました。パワーポイントを使った発表は初めてとのことでしたが、先生や担当学生に内容を直してもらう中で、いいものにしていくことが出来ました。

第九回(8/11)

最終回となる今回は、ボーナス回です。今回は炎天下の中、平坦で長いストレートにて、最高速度チャレンジを行いました。人によって最高速度が変わりましたが(抵抗成分と投影面積が変化するため)、最高で37.9km/hを達成することが出来ました。
これにてプログラムは終了です。我々としては、何より楽しんでもらえたなら何よりです。半年間お疲れさまでした。

その後

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国内学会へ参加&ゴールド賞を受賞

学内最終報告会に参加


添付ファイル: filephoto-gold.jpg 450件 [詳細] filephoto7-15.jpg 529件 [詳細] filephoto6-23.jpg 492件 [詳細] filephoto6-3.jpg 539件 [詳細] filephoto5-4.jpg 556件 [詳細] filephoto4-30.jpg 528件 [詳細]

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Last-modified: 2019-09-12 (木) 17:38:36 (1742d)